ハシコの部屋

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2019年2月9日ワンマンライブ

🎂綿部ハシコの勝手にバースデーライブ🎂

無事終幕しました!!!!!

ライブレポート↓

2019年2月9日。 三鷹おんがくのじかんにて、綿部ハシコの24歳バースデーワンマンライブが開催された。 信州生まれの彼女を祝うかのように、当日は朝から雪がちらつき、凛とした空気が漂っていた。

少女をまた1つ、大人へと誘(いざな)う儀式のようだ。

運良く大きな交通機関の乱れもなく、会場は開演前から満員の観客で溢れていた。 期待が高まる中、綿部の24歳が幕を開けた。

O.A.はお部屋の中の私fromほうかご 。 何と、中学時代の綿部が制服で登場する。  久石譲を彷彿とさせる、寂寥感溢れるイントロから始まる「いちご」 。 いちごのように甘酸っぱい初恋を回想して書いたであろう曲が、彼女の手にかかるとペパーミントキャンディーみたいに味を変えてしまう。

人生は酸いや甘いだけではない。全曲に共通するこのほろ苦さこそが、綿部の最大の魅力だ。

O.A.から本編開始の間に、自作のインストが流れる。 クラシック調から段々とPOPS調へと変化していく様は、彼女が歩んで来た音楽人生が垣間見えるようで面白い。

SEが終わったところで、いよいよ本編がスタートする。

まずは「色眼鏡」「ありがちなPOPS」「宇宙船」と、シングルカットされている3曲が続く。

早く大人になりたい自分とずっと子どものままでいたい自分。この誰もが経験する矛盾への苛立ちや苦しみ、不安定さ、夢見がちな乙女心がふんだんに盛り込まれている。

「落ち葉の中で」「シャボン玉」は、今が永遠に続いてほしいと願いながらも、変わってしまうものを憂いた切ないナンバーだ。

こうした多感な時期にしか書けない作品は、この先綿部が歳を重ね心情が変化してもずっと残り続ける、彼女にとってもファンにとっても本当に貴重な財産である。

ここから「東京生活」「セブンスターは甘くなかった」と続く。

綿部の曲は普通のPOPSとは一線を画する。 メロディーこそPOPSの体を成しているが、甘酸っぱさとは無縁の哀愁を帯びた歌と、昂ぶった感情をぶつけた鍵盤が見事にマッチングする様は、まさにブルースそのものである。

そんな彼女のブルースの中でも「セブンスターは甘くなかった」は綿部のどす黒い感情が垣間見える名曲だ。 ファン目線で言うと、裏声を使わずに地声だけで歌う姿を見てみたい。

最後に、疾走感溢れる「いちばんぼし」で第1部が終了する。

休憩を挟み第2部が始まる直前、ラップユニットのケンカオイルがステージに乱入し、サプライズでバースデーソングを披露する。 会場の空気が一気に和んだところで「ベッドサイドに月明かり」から後半がスタートする。

第2部は、綿部の最近1年の作品が中心で、全体的にスローなバラード構成に変化する。 若い感情が目まぐるしく鍵盤を走り回った前半とは打って変わり、彼女の精神的な充実が伺え、非常に心地良い。

2曲目の「今夜はうぬぼれていよう」は、僕が1番好きなナンバーだ。 音楽というゴールのない世界で、誰もが抱えている心情を優しく歌い上げた曲は、ボロボロでも不器用でも気高く生きて行こうという気持ちにさせられ、心に深く沁み渡る。 ライブの最後に聴きたい歌だ。

この日の天気にぴったりな「初雪」を挟み、ライブはいよいよ終盤へと移る。

「シンデレラのゆくえ」は、終電前の男女の駆け引きを見ているようで、非常に面白い。10年後20年後にどんな色で綿部がこの曲を歌い上げるのか。とても興味深い。

歌手であれ画家であれ、何かを表現する人間は人一倍承認欲求が強い。「SNSやめない」は自分が常に主役でいたい綿部の心情も相まって、コミカルでクスリと笑える曲に仕上がっている。

反抗期の自分を回想した「17歳」、24歳の反抗期ソング「むすめの主張」でライブは終焉を迎える。

いつか綿部が親になった時に「むすめの主張」にどんなアンサーソングを書くのか。今後のお楽しみである。

自己主張が際立つ曲が並んだ第1部に比べ、第2部は我儘な自分を表現しつつも、そんな自身を客観視したリスナー目線の曲が並んでいた。 この1年間に積み上げてきた、音楽だけではない綿部の人間的な成長が感じられる、とても練られたライブ構成だった。

温かい拍手に迎えられたアンコールは彼女の代名詞である「ありがちなPOPS」。 曲のようにこの先もずっと音楽を信じ、音楽を愛し、そして彼女自身が音楽を楽しみ続けることで、多くの人に感動を届けるだろう。

ライブ活動を3年やって、ようやく自信が持てるようになったと語る綿部。  ハイクオリティな楽曲とリスナーを震わせる演奏をする彼女が、大人の階段を1つ登り、また1年どういう成長曲線を描くのか。

僕も1ファンとして、温かく見守っていきたい。 (文責:髙橋ライ蔵)

●セットリスト

O.A.

いちご(お部屋の中の私fromほうかご)

第1部

1.色眼鏡

2.ありがちなPOPS

3.宇宙船

4.落ち葉の中で

5.シャボン玉

6.東京生活

7.セブンスターは甘くなかった

8.いちばんぼし

第2部

9.ベッドサイドに月あかり

10.今夜はうぬぼれていよう

11.初雪

12.シンデレラのゆくえ

13.SNSやめない

14.17歳

15.むすめの主張

アンコール

EN1.ありがちなPOPS